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慢性骨髄性白血病の治療や、治療後の生活について徒然と書いています
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先日、緩和ケアに携わる先生から伺ったお話です。




とある大学病院(都内の有名なところ)の
緩和ケアのボスが、ある日医学生や専門家に対して
講演会を行ったそうです。
そしてそこで、医学生からこんな質問が出ました。


「患者さんが亡くなった時、
 ご家族にどんな言葉をかければよいでしょう」


その緩和ケアの教授はこう言います。


「『立派な方でしたね』と言えばいいんです。
 だって、そう言われて嫌な気分する人、いないでしょ?」






これを聞いていた先生は疑問を感じ、
終演後に近くにいた医学生に聞いてみたそうです。


「あの言葉、どう思った?」

「いや…あれはあの先生みたいなすごい人なら言えますけど
 自分みたいな若輩者には言えません」



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こういうことを、高名(といわれる)医師が
堂々とオフィシャルな場で言うことに
大いに疑問を感じます…
このやり取りで私が思うことがいくつか…



例えば医師が、ものすごく故人を知っていて
よくして下さったのなら『立派な方』と言われて
嫌な気はしません。


しかし、大して病室に来ない、来ても1~2分、
患者の人間性や人生史なんてお構いなし…
故人を大して知らない医師に『立派でしたね』なんて言われたら
家族はどう感じるでしょうか。



私は去年祖母を亡くした時、
最期まで医師への怒りを感じていました。
こちらがいくら知識をもって訴えても、
祖母のことを真剣に考えてくれなかったためです。
お陰で祖母のターミナル期は、
私にとっては今でもトラウマのような存在です。
もし臨終のときにこのセリフを言われていたら
きっと殴っていたと思います。



-----------------------------------



家族にどういう言葉をかければいいか…
まずその問い自体が少し的外れのように、私は感じます。
大切なのは、何をするかであって、
その中の1つが言葉ではないでしょうか。



祖母が亡くなった時、
医者は死亡時間だけ告げて特にケアはなく、
個室混み合ってるから早く出ていけと言わんばかりでした。
霊柩車で自宅に運ぶ時も、
見送る職員さんもいらっしゃるのに、現れもしません。
夜中で、大して忙しくなさそうなのに。



しかし、看護師さんは違いました。
最後はせん妄で周りに反抗的だった祖母でしたが、
(せん妄が改善しなかったのもぶっちゃけ医師の知識不足)
それでも看護師さんは、せん妄がなかった頃の
祖母のことを私たちに話してくれて、
「いつも楽しい話を聞かせてくれはって…」
と、涙を流してくれました。



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医学教育では、泣いていたら自分の身が持たないから
いちいち悲しむな、そう言われているかもしれません。
私がこれから携わりたいと思っている場も、
患者さんが翌日には病室からいなくなっている、
そんなことがザラにある職場です。
けど、泣きたいなら泣いてもいいと思いますよ。
泣くことは、ある意味明日に向かうためのツールです。




それに、その看護師さんは、
何かしら祖母に対して思い入れを持ってくれていて、
きっと、人として接したから
涙を流してくれたんだと思うんです。
自分の保身のため、と言って、
患者さんに距離を取り過ぎる医療、
私は個人的にはあまり好きではありません。
(これは大阪人だからかもですが…)



-----------------------------------




どういう言葉をかけるかという問いに対しては、
私ならこう答えると思います。

「その患者さんとの関わりを思いだして、
 おのずと出てくる言葉が、かける言葉です」




でも、何も言葉がなくても人間はいくらでも
自分の気持ちを伝える手段を持っています。
何も言わず泣いてくれること、
黙って、家族の肩をそっと抱いてくれること、
ほんと、そういうささやかなことで
人間案外救われると思うんです。




しかし大泣きすればいいとか、泣けばいい
ということではありません。
患者さんが亡くなって、
自分の全身から湧き出る気持ちを自然に表現すること、
これが大切なんじゃないですかねえ。



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日本人ですから、空気は読みましょうよ。
人間、型どおりにいかないものですよね。
スクリプト通りに言えばいいなら、
正直ロボットに言わせてもいいんですよ。
すぐに答えを与えようとする教育、
私はどうかなあと感じます。




「しかし病院業務は忙しい」
もうそんな文句は心理や医療の業界にいたら聞き飽きました。
これを超越しない限り、今の医療業界は
永遠に成長しないです。



辛口ですが、患者として、
患者家族として、思うことです。



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【2012/08/09 02:52】 | 雑談:ひと
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ごんぞう
ご無沙汰しております。猛暑の中でも、学業と研究に勤しんでおられることと推察いたします。
さて、先日定期外来で大阪赤十字病院を訪れたときのことです。(注:わたしはここで臍帯血移植を受けました)玄関ロビーにリリー・オンコロジー・オン・キャンバスというプログラムで闘病中の方々の写真が展示されていました。その中に白血病を患った小学校の先生を写した一葉の写真に目が止まりました。スマートフォンなど画像を写すことができればよかったのですが・・・ひょっとして帰省中なら一度お立ち寄りになってはいかがでしょう?

こんにちは!
お軍
こちらこそご無沙汰しております;
コメント有難うございます!レスが遅くなりすみません…
赤十字にそのようなものが…興味あります!
残念ながらしばらく大阪に帰ることが出来ないのですが
長期間展示されているようでしたら、是非覗いてみたいと思います。
情報有難うございます!

臍帯血移植なさったんですね!
ご体調はいかがでしょうか。
身の回りに臍帯血族がいないので、貴重な存在です(笑)
またいつでも遊びにいらして下さい^^

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この記事へのコメント
ご無沙汰しております。猛暑の中でも、学業と研究に勤しんでおられることと推察いたします。
さて、先日定期外来で大阪赤十字病院を訪れたときのことです。(注:わたしはここで臍帯血移植を受けました)玄関ロビーにリリー・オンコロジー・オン・キャンバスというプログラムで闘病中の方々の写真が展示されていました。その中に白血病を患った小学校の先生を写した一葉の写真に目が止まりました。スマートフォンなど画像を写すことができればよかったのですが・・・ひょっとして帰省中なら一度お立ち寄りになってはいかがでしょう?
2012/08/26(Sun) 20:11 | URL  | ごんぞう #-[ 編集]
こんにちは!
こちらこそご無沙汰しております;
コメント有難うございます!レスが遅くなりすみません…
赤十字にそのようなものが…興味あります!
残念ながらしばらく大阪に帰ることが出来ないのですが
長期間展示されているようでしたら、是非覗いてみたいと思います。
情報有難うございます!

臍帯血移植なさったんですね!
ご体調はいかがでしょうか。
身の回りに臍帯血族がいないので、貴重な存在です(笑)
またいつでも遊びにいらして下さい^^
2012/09/01(Sat) 02:55 | URL  | お軍 #zWOzIf16[ 編集]
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